SABICイノベーティブプラスチックス
UL 62規格に準拠するAC電源コード向け
ハロゲンフリーFlexible Noryl*樹脂が電源コード市場を牽引

SABICイノベーティブプラスチックスのNoryl樹脂製品開発本部ディレクター、キャサリン・ヘス（Cathleen Hess）は、「環境配慮に対する 世界的な要求の高まりは電気・電子産業において特に強く、こうした業界においては、世界のセットメーカーがAC電源コードメーカーに対して、 高効率で費用対効果が高く安全なそして益々高まるPVCやフタル酸エステル（可塑剤）、ハロゲンを使用しないケーブル等の要件に準拠する 高性能製品を供給するよう強く働きかけている。」とコメントしており、加えて「私たちは当社の技術力や専門知識を駆使し、これらの要件を 満たすと共に、規制の変化に対応し、世界的成長への障壁を取り除くことができるよう、お客様が求める絶縁性能や被覆性能を発揮する Flexible Noryl樹脂グレードの開発を進めています。」としている。

SABICイノベーティブプラスチックスはFlexible Noryl樹脂を用いたケーブルのUL 62 TPE 90°C及び105°C規格への認定をサポート すると共に、日本のAC電源コード市場における電気用品安全法（電安法）の要件を満たす材料も用意している。また現在、顧客と協力し、 欧州連合（EU）のVDE HD 21.14規格の認定に注力している。

Flexible Noryl樹脂の成功例

台湾の電線・ケーブルメーカーであるI-Sheng社は、先頃、複数のAC電源コードに対してUL 62 90°C及び105°Cの認定を申請した。 ボブ・ワング（Bob Wang）氏は、「これまで私たちは、日本市場向けAC電源コードにFlexible Noryl樹脂を使用してきました。Flexible Noryl 樹脂を利用した優れた実績を基に、今後は米国市場においても大きな成功を期待しています。これらの高機能素材を用いることで、当社は様々な 市場における競争力を高めることができ、お客様の製造および環境持続性目標の達成に貢献してきました。」と述べている。

また、同じく台湾に拠点を置くFoxconn社も3C製品（コンピュータ／通信／コンシューマー）を手掛けるエレクトロニクス業界の主要供給 メーカーである。「Foxconnは、長年にわたってUSBケーブルや接続配線にFlexible Noryl樹脂を使用しており、その丈夫さやハロゲンフリー での難燃性を高く評価しています。」と、Foxconnグループの上級副社長であるシーザー・チェン（Caesar Chen）氏は言う。「Flexible Nory 樹脂は、当社がAC電源コードに求める全ての要件を満たしています。これにより、私たちが、環境保護に対応したハイエンド製品を生産する お客様をサポートできることに、とても満足しています。これは、この樹脂に関わる者すべてにとって大きなメリットといえるでしょう。」

AC電源コード向け3種類の特殊グレード

異なるAC電源コード形状の特定要件を満たすため、3種のFlexible Noryl樹脂グレードが用意されている。

• NISPE、SVE、SJE電源コードの被覆向けグレード：
  ショアA硬度79を示し、熱変形や引張伸びに対する優れた耐性を発揮。非移行性のため、高品質な被覆表面外観を実現。
• SPE電源コードの被覆向けグレード：
  ショアA硬度85を示す。非移行性で優れた機械的および熱的特性を発揮。
• AC電源コード絶縁用グレード：
  ショアA硬度91を示す。あらゆる形状に適しており、他の2グレードと同等の特性を発揮。

* SABIC Innovative Plastics IP BV の商標です。